今週のどうする家康14話!
久しぶりの最新話ということで、気合十分で見ましたが…
家康の前だとルンルンしちゃうかわいい信長にニコニコしたり、
恐怖以外の何物でもない信長にしっかりと自分の意見を伝えられる家康の成長にしびれたり、
阿月さんの決死の言伝に涙したりと1話の中にいくつ詰め込んだら気が済むんだというほどのさすが見どころハッピーセットのどうする家康でした!
その中でも個人的に心乱されたのは、秀吉!!!
朝倉・浅井vs信長軍の逃げ戦のしんがりを任された秀吉が、
家康を無理やり戦に参加させるために、
「もし逃げたら、家康は信長を見捨てたことになる。将軍を裏切り、浅井と朝倉と手を組んだって言いふらしちゃお!」っていうところ!!!!
うぁああ秀吉!むかつく秀吉!
推しだからこそ、なんで家康にそんなことするの!とはらわたが煮えくり返った!
ドラマが終わった後、家族に「どうしたの…?」と心配されるほどほど、ひどい顔になってしまいました!
そしてそのまま過ごして数時間がたったとき、兄が「は!さっきの秀吉もしかして!」と急にお話してくれました!!!
兄も秀吉の言動に違和感を覚え、一人悶々と考え続けていたそう…!
そう考えても辻褄が合うぞ…
そんなことできる!?あそこから信頼回復できる!?無理じゃない!?
狂ってる(←誉めてる)男、秀吉…
頼む!クズはクズでも…意味のあるクズであってくれ…!
ぜひ読んでいただけますと幸いですー
あんたのために言っとる
金ヶ崎城に浅井・朝倉連合軍が押し寄せてくることが明らかになり、絶体絶命の窮地で、秀吉は最も危険なしんがりを命じられます。
居合わせた家康に助けを求めたくなる気持ちはわかりますが、問題は…!その…!やり方!!!
秀吉「ここでもし生き延びれば、わしゃもっともっと上に行けるがや!
徳川様!わしゃあこんな大戦をさしずしたことがねえでよ!
どうしたらええ?手伝ってちょうでい!一緒にやろうまい!
ここで逃げれば、あんたは殿を見捨てたことになるに。
あんたは将軍様を裏切って浅井、朝倉と手を組むつもりだとわしゃあ言いふらしたるでよ!」
家康「クズじゃな、お前は…!」
秀吉「あんたのために言ったっとるんだがや」
ありもしないことを触れ回ると脅して、危険なしんがりに無理やり巻き込んでおきながら、
そのうえ「あんたのために言ってる」…?
よくもまあそんなこと言えたなあ!
と秀吉クズクズムーブに、なんで家康にそんなことするの!と怒りの嵐だったのですが、
考えてみると秀吉の言動がおかしいのです。
秀吉が言っている「わしはこんな大戦を指図したことがない」
これは明らかに事実ではないんです。
これ少し調べてみたところ、もうこの時代の秀吉、既に大きな戦でいくつも戦功を立てているみたいなんですよね。
1570年に浅井長政が信長を裏切るまでに
1566年には墨俣一夜城の建設
(当初60日3000人の兵で佐久間信盛が築城する予定だったが失敗。その後柴田勝家が60日を期限に5000人を引き連れて建設を再開するがまたも失敗。そんな厳しい任務を500人の兵でわずか7日で達成すると宣言し、見事それより短い4~5日で完成させた城のこと。【刀剣ワールド桑名・多度】墨俣一夜城の歴史より/https://www.touken-collection-kuwana.jp/mie-gifu-castle/sunomataichiya-castle/)諸説あり
1569年には信長から軍2万兵の大将に任命され、わずか10日間で18城を落城させたとされていました(Wikipedia「豊臣秀吉」より/https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%8A%E8%87%A3%E7%A7%80%E5%90%89)諸説あり
2…2万もの大群の大将に任命され、18もの城を落とした…?
つまり、秀吉は戦上手の、戦において家康以上に頭の切れる男。
秀吉「徳川様!わしゃあこんな大戦をさしずしたことがねえでよ!
どうしたらええ?手伝ってちょうでい!一緒にやろうまい!」
えぇ…このセリフ…明らかに嘘じゃん…
では、秀吉はなぜそのような嘘をついたのでしょうか。
おそらく秀吉は、自分がしんがりを務めれば、(秀吉自身が生き残れるかどうかはさておき)少なくとも信長を逃がす時間は作れる。という自信はあったでしょう。
信長もそう判断したから、秀吉にしんがりを命じたわけです。
こう考えると、家康の立場は実は非常に微妙になります。
前日に信長をカンカンに怒らせ、「朝倉の次はお前だ」とまで言われている家康。
信長ならなんだかんだ許してくれるんじゃないかなと思えますが、それはたぶん、我々視聴者が白兎大好き信長しか見ていないから。
秀吉の目から見たら、たぶん今一番窮地なのは家康です。
柴田勝家が「徳川様がおられる時だけでござる。我が殿が機嫌が良いのは」といった通り、信長の本質は恐怖の大魔神。
ほとんどの場面で、反逆者ぶっ殺し野郎に違いありません。
つまり秀吉の視点では、信長があそこまで怒ったら、もうその人は終わりなのでしょう。
激情型で冷酷、そして口にしたことは必ずやる男。
秀吉は必ず信長を逃がし、
信長は必ず三河を滅ぼす
つまり「朝倉の次はお前だ」という言葉は、秀吉にとって確定した未来なのです。
また、家康の性格上の問題もあります。
阿月は市の言伝を、懸命に家康に届け、そして家康の目の前で命を落としました。
その言伝は、かつて家康に救われた市の恩返しであり、そして家康への想いが詰まった大切な7文字です。
しかし、家康には、自分が市の恩人だという意識はありません。まして、市が特別な好意を向けてくれていた(る)とは、思ってもいないでしょう。
つまり家康の目に「おひき候え」という言葉は、おそらく「どうか逃げてください」ではなく、「どうか兄を逃がしてください」という意味に映ります。
現に「早くお逃げなされ。わしの指図ではない。お市様のじゃ」と信長に向かって言っていることから見ても、信長を想った言伝として受け取っていることがわかります。
そう感じている家康がこのまま信長を放って、そして討たれてしまったら…
「信長を助けてほしい」という市の想いと、それを届けるための阿月の決死の頑張りを無下にすることになります。
そんなの…心優しい家康は、この先一生苦しんで生きていくことになってしまう…
つまり
秀吉 成功
信長 生存
家康 避けられないデットエンド いやすぎ
秀吉 失敗
信長 死亡
家康 罪悪感で苦しみ祭り開催 つらすぎ
家康の頭に浅井・朝倉と手を組むという発想がない以上、家康の置かれている立場上、そして家康の性格上、秀吉としんがりを務める以外の道はないのです。
それに気づいているのか?
お前のために言っているんだぞ
それがあの「あんたのために言ったっとるんだがや」に詰まってる…だと…!?
ひぇ…!この一言にそんな全部こめることある…!?高度すぎるよ…
私が「あんたのために言っている」って言われたら「何がッ!!!!!」っていいながら顔面殴りつけちゃう…
意味わからん恩着せがましい人の心無い男として、一生軽蔑して生きてしまうよ…
秀吉
秀吉は馬鹿なふりをして、普通の武士だとプライドが邪魔をしてできないことを平然とやってのける男…
それが自分の最大の武器だと自覚している男です。
秀吉の常識では、プライドの高い「武将」である家康に、農民上がりの秀吉が「今君が置かれている状況はこうで、こうした方がいいよ!」と上から目線で説明しても、素直に受け取ってもらえない可能性の方が高い。
それならば、下手に出ながら自ら気づかせるか、気づかずともそうせざるを得ない状況に追い込む方が、間違いも面倒もない、くらいに思っているのかもしれません。
むしろ、今置かれている現状を把握できていない家康の顔を立てるため、あえて下種に振舞った可能性すらあります。
おそらく、秀吉が今家康の立場に置かれていたら、誰かに脅されるまでもなく進んでしんがりを務めたでしょう。
さもなければ、信長の「好きにせよ」という言葉の通り、あっさりと裏切って浅井・朝倉方についたかもしれません。
秀吉のクズクズムーブの一番の目的は、もちろん、家康をしんがりに巻き込んで、自分の生存率を上げることでしょう。
しかし「あんたのために言っている」という言葉は、あながち嘘とも言えません。
本来ならば家康が自ら気づくべき窮地を、秀吉はあくまで愚者として振舞ったまま(つまり、家康の顔をたてつつ)正解の行動に誘導しているのですから。
まとめ
天才…か…?
冷静に今の状況を把握し、素早い手法で最善になるように動く…
そんなこと誰ができるというのよ…!ああ、それが私の推し、秀吉!!!あっぱれ!
しかし…家康の純で心優しくのほほんとしたいい子に慣れてるところに急にそんな情緒より効率優先男が現れると、心乱されるな…
家康には優しくして、なんか悪い人にだけやってほしくはある…私の心が持たないのでね…
ここのところ、底意地悪そうな明智光秀、嫌悪感あふれる足利義明とか、心にいら立ちと悲しみが蓄積される日々…
早く三河に帰りたい…
今回も深くおもしろかったどうする家康!
なんか信長が氏真みたいになってきている気がする…!
「信長…氏真と同じ過ちを犯そうとしてない…?どうする家康!」という内容の第14話の記事第2弾をまた更新しようと考えていますので、ぜひまたそちらも読んでいただけると!
第2弾記事できました!
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
コメント