正信!正信が帰ってきた第29話!お帰り正信!
家康すごくない!?久しぶりに会ったら、その成長ぶりに度肝を抜かしたでしょうて!
三河一向一揆で裏切られまくっていた泣き虫ハナタレの家康は、家臣を信じ大事にし、その結果多くの人々が自分の命と引き換えに家康を守ろうとするほど、愛される大名になりましたぞ!
今回、そんな29話の中でも気になったのは、「明智は何としても信長の首を取らねばならなかった」という台詞!
このセリフから第28話「本能寺の変」を思い返してみると、信長がまた最高感情激揺さぶり巨大爆弾を落としていったことがわかりました…
どれだけ私を沼に溺れさせたいんだ古沢さん(※脚本家さん)は…!
「明智は何としても信長の首を取らねばならなかった」
このセリフに至るまでのあらすじをおさらいしていきます!
信長を討ち取った明智光秀は、次に家康の首を狙っていた。
逃走ルートとして選んだ「伊賀越え」で、家康は生涯トップ3に入るほどの大ピンチを迎える…
信長にひどい扱いを受けていた伊賀の忍びたちは、明智光秀に家康の首を献上するため、その命を虎視眈々と狙っていたのだ!
凄腕の忍びになすすべもなく捕まってしまった家康の首に、刀が振り下ろされそうになったその時、かつて家康に知恵を授け、そして三河一向一揆で裏切り追放された、本多正信が現れた!
本多正信は伊賀の忍びたちに「信長が生きている噂がある。もし生きていた場合は明智の味方をするものはおらず、信長にあっという間に滅ぼされてしまうだろう。そんな中信長の弟分である家康の首が届いたら、今度こそ伊賀の国は終わる…その反対に家康を助ければ、もう二度と伊賀の国に手を出すことはないだろう」と脅しをかける。
その言葉を聞いた伊賀の頭領は、家康に「あんたはどう思う?信長は生きていると思うか」と尋ねました。
その時の家康の答えが、これです。
「死んでいると思う。
だが首が出ていないのは確か。
だから織田の家臣らは、信長が生き延びたという噂を盛んに振りまいておるんじゃろう。
そのせいでしばらくは皆、様子を見るしかない。
即座に明智に味方をするものは現れぬ。
明智は何としても信長の首を取らねばならなかった
だが奴はしくじったんじゃ。
奴に天下は取れぬと思う」
ふぁぁ!たしかに!
天下を取るのは、信長を討ち取るだけでなだめなのか!
信長を討ち取ったことを証明し「魔王を殺した英雄」にならなければ、信長に反感を持つ者すら味方につけられない。
仇討ちを名目に後釜を狙う織田家臣に飲み込まれて終わってしまう。
「信長を討ったのは正義である」
「魔王の罪を清算し新しい世を敷く」
というストーリーのもと、遠征から戻ってくる織田家臣たちを迎撃し、信長に代わる新たな王と世に認めさせなくてはならない…。
だから家康は、本能寺を襲撃する前に、京に近い堺の商人たちとつながりを作っていたのか!
それを踏まえて先週の本能寺の変を思い返すと、信長の最後のシーンの意味が全く変わってきます。
私は先週、信長は「家康に会えないならもういい…」みたいな悲しい気持ちで燃え広がる本能寺の中に消えていったのだと思っていました。
でも、信長の意図が、最後に家康と会いたいというだけではなかったとしたら。
自分の首の価値を知っていたとしたら。
家康を探す狂気のような執念も、炎に消えていく諦念のような足取りも、全てがきれいに、新しい意味を持ってつながるのです。
明智光秀は、信長の首を取らなかったのではなく、取れなかった。
信長が諦めて投降するでもなく、命尽きるその時まで戦いを挑むわけでもなく、燃え盛る火の海に飛び込んでいったからです。
その結果、光秀は天下に挑む資格を失いました。
もしも信長が光秀に首を取られていたら、
伊賀の忍びのような反信長派は、ためらいなく光秀に味方したでしょう。
そうなれば、家康は確実に殺されていたはずです。
じゃあ…もしかして…
信長は、家康がいないことに絶望して、失意の中で燃え盛る火に消えていったのではなく、明智光秀に天下を渡さないために、自分の首を処分しようとしていた…?
家康が殺されないように、
家康が天下を取るチャンスを残すために、
家康以外には首を渡すつもりがなかったから、
終わりかけた身体を動かして、一人で灰になることを決めたの…?
じゃあ、その前、
意識が遠のき、足がふらつく中、うわごとのように名前を呼び続けていたのは、
この世界を任せられるのは、家康しかいないから、
自分の首が、次の天下人を決める戦いに挑むためのチケットだと知っていたから、
死ぬ前に家康を見届けて、確かに覚悟があったなら、
約束通り首を届けねばと、家康を探し続けてたってこと…?
だから…だから真っ白な着物が血で真っ赤に染まるまで刺されても、多数の敵から四方八方囲まれても、歩みを止めることなく生き延びていたの…?
えぇぇぇええ!聞いてないよ!そんな!
家康どこー?ぐらいかと思ってたよ!
大事な、唯一認めた弟に、「この天下を一つにする」という大義を受け継がなければならないという使命感も持ち合わせていたの!?
家康居なくてしょんぼりして火の中に行っただけかと思ってたぁぁああ
そんな時に現れたのか…あいつは…!明智め!そりゃあ「キンカン頭ぁぁああ」って怒られるよ!
うわぁぁああ
どうしたらいい?このドキドキを!このぞくぞくを!感情で爆ぜてしまう!
私にセンスがあったならば、この抑えきれない感情に名をつけ、新たなエモエモ言葉が誕生していたというのに…
ふがいない…
まとめ
光秀は天下に挑む資格を失った
その結果、家康は死なず、天下に挑むチャンスが残った
それは信長の計算によるもので、偶然ではなかった
信長の一見奇妙な、狂気のような行動は、実は家康への愛情に導かれた合理だった…
はぁぁあやっぱりこのドラマ…家康と信長の関係が最高…
兄弟で、友達で、信じてほしくて、わかってほしくて、でも言わなくて、嫌えなくて、家康のことがかわいくてたまらない信長の不器用で誠実なところがもう…本当に…愛しい…
これはもう、小さい子が見たら性癖が決まってしまうから見せるのが危険かもしれない。
大の大人でもこんなに乱されるのだから。
それぐらい物語が良すぎる。
松本潤さんが家康を演じてくれて、松本潤さんが岡田さんを説得してくれて本当に感謝…
この二人の家康と信長が、私の家康と信長…
コメント