一年通して見れる自信がないため、大河ドラマを見ることをあまりしてこなかった人生なのですが、
今回は脚本が古沢良太さん(リーガル・ハイを書いた!)ということで、一念発起してみてみました。
結果、面白すぎる…大河最高…
もう今回出てきたムロツヨシさんの秀吉が良すぎて、何としてでもこの一年見てやるという強い決意が生まれました。
今まで大河をみてこなかったことが申し訳ないほどに面白い…
(※2023年1月29日放送を見た記憶を頼りに書いていますので、間違っているところがあるかもしれません。またセリフはニュアンスで書いております。ご了承ください。)
ムロ秀吉の最高なところ
今までの秀吉って、私の勝手なイメージで申し訳ないのですが、明るく無邪気でムードメーカー、
そう圧倒的な「陽の人間」のイメージなんですよ。
みんなが暗く落ち込んだ中でも一人明るくふるまい、皆を元気づける秀吉
人懐っこくて、持ち前の気安さで相手の懐にするりと入ってしまう、人たらしな秀吉
サルっぽい表情や絵、田舎者のようなメイクなど、洗練されていない、警戒心を抱かせない演技で描かれる秀吉
「智」というよりは、その「キャラクター」で成り上がった印象を受けていました。
特に真面目で固い人物として描かれる明智光秀と対をなすよう、これまでの秀吉像は、楽しくおちゃらけた印象を持たせるつくりのものが多かったように思います。
でも今回のムロ秀吉は違う気がする…
作られたおちゃらけ、計算された明るさアホさのような気がするんです。
家康が信長と同盟を組むときのシーン
家康が水野信元、於大の方、家臣たちに説得されて、今川家を裏切り、信長と同盟を組むシーン。
信長が話を切り上げてもしつこく話し続けてしまったり、今川家に温情を与えるようお願いしてしまった。
このシーン、家康は信長と長く離れていたため、信長の地雷がわからないままお話したり、要望を出してしまったりしていました。
そのときのムロ秀吉のアワアワ感に、彼の底知れぬ賢さがにじみ出ていたと思うのです!
家康がやらかすたび、家康にサインを出しフォローに回る。その姿には、気の利き様、空気の読み方、頭の回転の速さがあらわれていました。
だって周りの家臣は別に何もわかってなかったものなぁ。
ムロ秀吉はわかっちゃうんだなぁ。信長が何が嫌いで、何をされたくないかちゃんと把握しているんだなぁ。
普通の家臣たちは、「しっかりと丁寧に説明してくれないから、信長が何に怒っているかがわからない」状態だと思うんです。
信長がいちいち部下に説明するはずもないので、他の家臣たちは、多分信長をむやみに恐れてしまう。
どこに逆鱗があるのかわからない、理解不能な上役ほど怖いものはないですよね。
その中で秀吉だけが、信長が怒る理屈を察せられるのでしょう。
それはコメディ的な側面もあるとはいえ、「信長様のことはどーんと俺に任せろ、取り持ってやる!」的なことを言っていたはずの水野信元が、信長に近づいただけで怯えて逃げ出したところからも読み取れます。
しかもね!把握しているだけじゃないんですよこの男は!怖い状況に陥ることがわかっていながら、そこをとりなそうと、中に入っていけるんですよ!またムロ秀吉の魅力発見です…
そしてこのシーンのすごいところは、ムロ秀吉の気遣いの描写が、同時に信長の「家康大好きあいらびゅー」度合も示しているところ!
ムロ秀吉があんなに焦っていたのは、ほかの武将や家臣が同じように地雷を踏みぬいたときに、信長がどうなってしまうのか、その目で見てきたからでしょう。
だからこそ「まずい!」と思ってとりなそうと、家康のフォローに回ろうとしたけれど…もう全然信長怒んない。
多少苛立ちは見せても、家康に激情が向かうことはありませんでした。
本当に信じられないぐらい大事にされているんだなぁ…
さすが俺の白兎…
ふぅ…またムロ秀吉魅力的話に戻りますが、
信長の大高城作戦の意味が明らかになるシーンもかっこよさ炸裂でした…
信長の大高城作戦の意味が明らかになるシーン
「あの大高城を織田家から守った」と言い切る家康に、
どうして家康が大高城に兵糧を送ることができ、そして守ることができたのか…そもそもそのすべてが織田信長の作戦であるとムロ秀吉が説明するシーン。
あの作戦の意味、絶対秀吉聞かされていないと思うんですよ。
作戦の全体像なんて、家臣に説明しないじゃないですか、わざわざ。家臣いっぱいすぎるし。情報漏洩のリスクも高まるし。
だから、じわじわ攻めろと命令したときは、
「今攻めたら絶対落とせるのに、なんで落とさないんだ!」とか
家康が来たら、少し抵抗して、そのあとは通してやれと命令したときは、
「おーおーさすが信長殿は竹千代殿に甘いですのー」とか
絶対周りの家臣に言われてたと思うんですよね!腹立つ!
そんな中で、あんな完璧に意図を理解して、完璧に説明されたら…もう信長の心は「さるぅしゅき…」ですよ!わしづかみです!そりゃあ傍に置きますわ!
大切大好き家康の小間使いにも任命するし、信長と家康の大事な二人っきりのおしゃべりシーンにも同行させますわ!
周りの人が馬鹿にしていても、信長が買っている理由があのシーンだけで重々わかります。
またしゃべり方はおどけているのに、目が鋭かったり、わざとにこやかにしていたりで、圧倒的な強者感がまたよきなんですよね…
頭が悪い振りをして、この中で一番の下の人間であるかのようにふるまいながら、もう心がギッラギラ!
そしてその覚悟と計算によってできているおちゃらけをすべてわかったうえで、傍に置いている信長の強まる覇者感。
なにこの関係性。もう良さの煮凝り。よいしかない
しかもこの関係、秀吉と信長が鋭ければ鋭いほど、ムロ秀吉がそんな強かな男であればあるほど、家康の良さがより際立っていくんじゃないかなと…
お市の方の「家康殿を大事にしてください。お兄様が本当に信を置けるのは、あの御方だけかもしれません」というセリフ。
今までの秀吉像だったら、信長大好き感といい人の良さ感といい、家康と同じように「信のおける相手」になれていたと思うんです。
でも今回のムロ秀吉は、あえて「弱者のふりで周りを油断させる知恵者」として信長の傍にいて、あのキャラクターを演じているんです。
信長も評価をしているけれど、同時に秀吉側も評価をしている。
信長がいつか秀吉への警戒を忘れて、秀吉にとって「勝てる相手」になれば、ムロ秀吉はあっさりその背中をさすんじゃないかと思わせるほどの危うさを感じます。
そんな中、一人戦国時代に向いていないほどの臆病者で、心優しく純朴な少年のような家康はもうこの世界の宝です。
大切なものを失わないまま成長してほしいランキングNo1です。
信長は、家康を乱世に耐えうる男に成長させたいみたいですが、いくつ「地獄」の試練を課しても、今川に渡り戦場を経験しても、家康の穏やかな優しい性根は変わりませんでした。その尊さを、信長は心配しつつ、同時に信用し惹かれるのだと思います。
計算つくされたキャラクター造形すぎんか…
見れば見るほどみんなが家康のこと傍に置きたくなるじゃんこんなの
はぁしんどいしんどい
まとめ
感情に任せて書いてしまった乱文をここまでよんでいただきありがとうございました…
はぁ…ムロ秀吉のおかげで、家康も信長もよりすきになってしまった。
本多忠勝も好きなんですよー
回を重ねるごとに好きなキャラクターが増えそうだと戦々恐々してます。
日曜日夜の楽しみ!生み出していただいてありがとう!「どうする家康」!
↓第5話の曇った表情の瀬名を見た田鶴の最後のおどろきについて考えてみました!
すごい賢くていい子だった…この野郎と思ってごめんね…
「愚かな善人」「嵌めた後怖くなった偽善者」など田鶴のことが嫌になってしまった方に是非読んでほしい…
田鶴の瀬名への深い愛情に感服です!もしお時間ございましたら読んでいただけると嬉しいですー
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